miiboDesigner の岡大徳です。
先日開催された「GPT会話AI構築実践セミナー第14弾 ~社長AI・芸能人AIを作る~」の内容を皆様にお届けします。miiboの最新機能と、特定の人物になりきるAIの構築ノウハウについて、90分の濃密なセミナーの要点をまとめました。個人で楽しむ簡易版の作り方から、企業サービスとして展開する際の重要ポイントまで、実用的な知識を凝縮してお届けします。
特定人物のAI化技術の基本と実践方法
特定の人物(社長・芸能人など)のAIを作る際、まずは基本的なアプローチから見ていきましょう。簡易的なものであれば、ChatGPTにプロンプトを作成してもらい、それをGPTなどに入れるだけでも作成可能です。
しかし、企業サービスとして活用する場合は、以下の4つのポイントを押さえた開発が必要です:
実在の人物の個性をどう反映させるか
ユーザー体験をどう設計するか
リスクや限界にどう配慮するか
テストとチューニングをどう行うか
人物の個性を抽出する具体的方法
人物の個性を抽出する主な情報源は以下の通りです:
動画・音声データ:口調や口癖、話し方の特徴を抽出
対談記事・書籍:考え方や思想、専門知識を抽出
経歴情報:行動履歴や重要な出来事を整理
これらの情報をプロンプトとナレッジデータストア(RAG)に適切に配置することで、より本人らしい応答が可能になります。例えば、口調や話し方の特徴はプロンプトに、詳細な知識や専門情報はRAGに入れるといった使い分けが有効です。
目的に合わせたユーザー体験設計
AI開発の目的に合わせて、会話設計を調整することが重要です:
プロモーション目的:一問一答の軽快な会話、面白い返しに特化
相談・アドバイス目的:共感する会話設計、対話の継続性を重視
ブランド体験目的:キャラクターの個性を前面に、一貫した世界観の維持
また、利用インターフェースによる設計の違いも重要です:
音声対話型:短めの回答、口語表現に特化、顔文字等の記号を使わない
テキスト対話型:詳細な説明可、装飾的表現可、クイックリプライ活用
セミナーでは、実際に森永製菓の「褒められーニア」キャンペーンで武豊さんの特徴を捉えた会話AI構築事例も紹介されました。
リスク管理と倫理的配慮
特定人物のAIを作成する際は、以下のリスク管理が不可欠です:
権利と許諾:対象人物の許可取得、肖像権や著作権への配慮
業界規制:景品表示法、薬機法、金融商品取引法など関連法規への対応
不適切な誘導への対策:プロンプトインジェクション対策、悪意ある質問への防御策
免責事項:AIが生成した内容であることの明示、利用規約での責任範囲の明確化
特に実在の著名人の場合、不適切な発言が拡散するリスクが高いため、徹底したリスク対策が必要です。
テストとチューニングの効率化
開発したAIの品質を高めるためのテスト方法として以下が推奨されます:
言わせたい典型例のテストケース作成と検証
言わせたくない典型例のテストケース作成と検証
プロンプトインジェクション対策のテスト
プロンプト改善時の注意点として、一部修正後に全テストケースを再度確認することが重要です。改善を重ねるうちに、以前できていたことができなくなる「改善による劣化」が発生することがあります。
チューニングには、AIを活用したプロンプト分析も効果的です。問題のあるプロンプトをAIに分析してもらい、改善案を得る方法が紹介されました。
miiboの最新機能アップデート情報
セミナー前半では、miiboの最新機能について紹介がありました:
GPT Searchプレビュー対応:AI自身が検索を行い、結果を利用できる機能
Custom Action機能の拡張:Googleクラウドプラットフォームのサービスアカウント認証に対応
検索クエリー生成プロンプトの文字数上限緩和:1,000文字から2,500文字へ拡大
トラッキングAPI:Context Stream Agent (CSA) でコンテキスト情報を収集・活用
MCPサーバー接続:Zapierとの連携で3,000種類以上のサービスと簡単に接続可能
4月以降には、管理画面の大刷新、新フロントエンドのリリース、AI分析機能強化、ナレッジデータストア検索APIのリリースなどが予定されています。
Q&A
セミナーで寄せられた質問への回答も共有します:
Q: 社長AIを戦略策定に活用する場合の可能性は?
A: 議事録や経営数値をRAGで取り込み、社長の個性あるプロンプトと組み合わせることで、経営データに基づいた社長らしい意見を生成できます。自社データベースとの連携も可能です。
Q: プロンプトとRAG、どちらを優先すべき?
A: 全てプロンプトに入れる方が精度は高まりますが、コスト増加やレスポンス遅延のデメリットがあります。また、情報過多でAIが重要度を判断しにくくなる問題も。RAGは情報の整理や更新が容易で運用面で優れています。目的やコストバランスで選択するのが良いでしょう。
Q: 社長の資料が少ない場合でもAIは作れる?
A: インタビューを通じて社長の考え方や特徴を抽出し、文字化する方法があります。また、プロトタイプのAIを社内で運用しながらデータを蓄積していく方法も効果的です。
miiboコミュニティ最新情報
miiboユーザーコミュニティでは、特定人物のAI化に関する議論が活発に行われています。特に以下のトピックが注目されています:
異なる言語モデル(GPT vs Claude)による特定人物の表現の違い
企業サービスとしての展開時の法的リスク対策事例
特定人物AIのテスト自動化ツールの共有
コミュニティに参加して、他のユーザーの知見を活用しませんか?初心者から上級者まで、様々なレベルのユーザーが交流しています。
miiboコミュニティはこちら:https://www.facebook.com/groups/miibo
まとめ
特定の人物になりきるAIの開発は、単純なプロンプト作成から始まり、複雑なリスク管理やテスト体制の構築まで、多岐にわたるスキルが必要です。個人的な利用であれば簡易的な方法でも作成可能ですが、企業サービスとして展開する場合は、本セミナーで紹介した4つのポイント(個性の反映、ユーザー体験設計、リスク管理、テスト・チューニング)を押さえることが重要です。
miiboの最新機能と組み合わせることで、より高度で実用的な特定人物AIの構築が可能になります。特にContext Stream AgentやMCP連携は、AIにより豊かなコンテキストを与え、外部サービスとの連携を容易にします。
【今すぐ行動】
セミナーの詳細動画は以下のURLから視聴できます。実際のデモンストレーションやより詳細な解説を確認してください。
また、社長AI・芸能人AI開発に関するご相談は、miiboパートナーである株式会社ココロミまでお気軽にお問い合わせください。シンプルなものから高度なカスタマイズまで、目的に合わせたご提案が可能です。
それでは、また次回のニュースレターでお会いしましょう! miiboを楽しんでください!
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