【miibo実践レポート】1万件の商品から最適な提案を!ECサイトのAIレコメンド構築セミナー開催報告
データのリッチ化からWebサイト連携まで。プロが明かす商品レコメンドAIの構築手法と成功のポイント
miiboDesigner の岡大徳です。
2025年3月12日に開催されたGPT会話AI構築実践セミナー第13弾「ECサイトで商品レコメンドをするAIチャットボットを作る」が好評のうちに終了しました。今回は、ジオラマ専門店「さかつうギャラリー」での導入事例を中心に、1万件を超える商品データからユーザーの希望に最適な提案を行うAIチャットボット構築の全プロセスが公開されました。この記事では、セミナーの内容と実践で活用できるポイントをお届けします。
AIレコメンドチャットボット構築の全体像
セミナーは、miibo CEO功刀氏とこころみ社の森山氏による二部構成で展開されました。前半では、miiboの2025年初頭からの15件の新機能アップデートが紹介され、後半では、実際のECサイトでの商品レコメンドAI構築の実践手法が詳細に解説されました。
特に注目されたのは、ジオラマ専門店「さかつうギャラリー」での事例です。約1万点の商品データを持つECサイトで、ユーザーの抽象的な要望(「田園風景の中の鉄道駅がある風景を作りたい」など)から最適な商品を提案するAIチャットボットを実現した過程が共有されました。
70点から95点へ - 精度を高める5つの実践テクニック
基本的なプロンプト設定とナレッジデータの登録だけでも70点程度のチャットボットは構築できますが、実用レベルの95点に高めるために実施した5つの工夫が紹介されました。
生成AIによる商品データのリッチ化
商品画像をGPTに読み込ませ、「何が写っているか」「どんな色か」「どんなシーンで使えるか」といった情報を自動生成し、検索キーワードとして追加。これにより「温かい家庭の風景」といった抽象的な検索でも適切な商品が見つかるようになりました。
チャンク制御を活用した大量データの効率的格納
スタンダードプランでも1万件の商品データを扱うため、5万文字のナレッジ制限を活かし、「[CHUNK]」マーカーで500文字ごとに区切る方法で、100ナレッジに1万商品を効率的に格納しました。
カテゴリ別の検索クエリ最適化
「完成品が欲しい」「パーツが欲しい」「道具が欲しい」など、ユーザーのニーズをカテゴリ分けし、検索クエリにカテゴリキーワードを含めることで、より関連性の高い検索結果を得られるよう工夫しました。
閲覧ページコンテキストのAI連携
ユーザーが現在見ているページの情報をJavaScriptで取得し、ステート機能でAIに伝達。「この商品について詳しく教えて」といった自然な質問に、現在のコンテキストを理解した応答を実現しました。
接客マニュアルの実装と動的クイックリプライ
人間のスタッフがどのように接客するかというノウハウをプロンプトに落とし込み、さらに動的クイックリプライを活用して、ユーザーの選択を促進する設計を行いました。
miiboの最新機能アップデート紹介
セミナー前半では、功刀氏より2025年1月以降の主要なアップデートについても紹介されました:
ナレッジデータストアの検索モード拡張: 全文検索モードとミックスモードが追加され、固有名詞での検索精度が向上
新モデル対応: GPT-4.5-previewやClaude 3.7 Sonnetなど最新モデルへの迅速な対応
Chrome拡張機能のリリース: Webサイト閲覧中に自社AIを呼び出せる機能
GoogleタグマネージャーによるUI完全カスタマイズ: チャット画面の色や配置をブランドに合わせて柔軟に変更可能
カスタムアクション機能: JavaScript製のスクリプトでAIの機能を拡張する機能
Q&A
Q: このような商品レコメンドAIの開発期間はどの程度必要ですか?
A: さかつうギャラリーの事例では約10ヶ月かけて段階的に開発しましたが、集中的に取り組めば4ヶ月程度で70点レベルの実装が可能です。その後、実際の利用データを基に継続的に改善していくアプローチが効果的です。
Q: 使用されている言語モデルは何ですか?
A: 現在はGPT-4oを使用していますが、GPT-4o-miniでもほぼ同等の精度が出ていました。特に画像認識が必要なデータ処理部分ではGPT-4の視覚機能が活躍しています。
miiboの詳細なFAQについては、以下のURLをご覧ください: https://daitoku0110.net/faq/
miiboコミュニティ最新情報
コミュニティでは、ECサイトでのAI活用事例についての議論が活発に行われています。特に、商品情報の効果的な構造化や、検索クエリの最適化手法について、様々な業種の事例が共有されています。また、今回紹介された「閲覧ページのコンテキスト連携」機能については、多くのユーザーから応用アイデアが寄せられています。
miiboコミュニティはこちら:https://www.facebook.com/groups/miibo
まとめ
今回のセミナーでは、単なる基本機能の紹介にとどまらず、実際のECサイトで95点レベルの商品レコメンドAIを構築するための具体的なノウハウが惜しみなく公開されました。特に印象的だったのは、AIの精度向上には「データ自体をリッチにする」という上流工程からの取り組みの重要性です。
また、ユーザーが実際にWebサイトを閲覧しながらAIと対話する際の自然な体験を実現するための工夫は、EC以外の様々なビジネスシーンでも応用可能な知見となっています。導入事例でさかつうギャラリー紹介している記事もご覧ください。
セミナーの動画は、miiboのYouTubeチャンネルで公開されています。ぜひ、ご覧ください。
次回セミナーもどうぞお楽しみに!
それでは、また次回のニュースレターでお会いしましょう! miiboを楽しんでください!
miiboDesigner岡大徳:https://daitoku0110.net/
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