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miiboのMCP制御プロンプトで外部サービス連携を自在にコントロール|会話型AI開発の新たな可能性
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miiboのMCP制御プロンプトで外部サービス連携を自在にコントロール|会話型AI開発の新たな可能性

プロンプトエンジニアリングで外部サービスとの連携を最適化し、より賢い会話型AIを構築

miiboのMCP連携機能は、会話型AIと外部サービスをノーコードで接続できる画期的な機能として多くの開発者に活用されています。しかし、連携したサービスをいつ、どのように使うかという制御には課題がありました。この度、「MCP制御プロンプト」という新機能の搭載により、外部サービス連携の挙動を自然言語で細かく制御できるようになりました。

MCP制御プロンプトは、MCPで接続された外部サービスの利用方法をプロンプトで指示できる機能です。どういった場面でどのサービスを利用するか、サービスをどのように活用するかといった細かい挙動を、プロンプトエンジニアリングの手法で制御できます。これにより、より賢く、状況に応じた適切な外部サービス連携が可能になります。本記事では、この新機能の詳細と活用方法について解説します。

MCP制御プロンプトとは

MCP制御プロンプトは、miiboのWebhook機能に搭載されたMCPサーバー接続機能の拡張です。従来のMCP連携では、外部サービスとの接続は可能でしたが、その利用タイミングや方法は限定的でした。新機能により、プロンプトを使って外部サービスの利用を細かく制御できるようになりました。

この機能の最大の特徴は、プログラミング知識がなくても自然言語で制御ロジックを記述できる点です。「カレンダーの予定を確認する場合は、まず今日の日付を確認してから検索する」「Slackへの通知は重要度が高い場合のみ行う」といった複雑な条件分岐も、プロンプトで表現できます。miiboが得意とするノーコード開発の思想を、外部サービス連携の制御にも拡張した形になります。

制御プロンプトで実現できること

MCP制御プロンプトを活用することで、外部サービスとの連携をより柔軟かつ知的に制御できます。単純なトリガーベースの連携から、文脈を理解した高度な連携へと進化させることが可能です。

具体的には、以下のような制御が実現できます。まず、サービス利用の条件分岐です。ユーザーの発話内容や会話の文脈に応じて、適切なサービスを選択して利用できます。次に、サービス利用の順序制御です。複数のサービスを組み合わせる際に、どの順番で実行するかをプロンプトで指定できます。さらに、エラーハンドリングの指示も可能です。外部サービスからエラーが返ってきた場合の対処方法も、プロンプトで定義できます。

これらの制御により、AIエージェントはより賢く外部サービスを活用できるようになります。例えば、ユーザーの要求に応じて必要なサービスだけを呼び出したり、状況に応じて最適な処理フローを選択したりすることが可能になります。

具体的な活用シナリオ

MCP制御プロンプトの活用シナリオは多岐にわたります。実際のビジネスシーンでどのように活用できるか、具体例を見ていきましょう。

カスタマーサポートのシナリオでは、問い合わせの内容に応じて適切な外部サービスを使い分けることができます。技術的な質問の場合はナレッジベースを検索し、アカウントに関する質問の場合はCRMシステムにアクセスし、緊急度の高い問題の場合は担当者にSlack通知を送る、といった制御が可能です。制御プロンプトにより、これらの判断をAIが自動的に行えるようになります。

スケジュール管理のシナリオでは、より知的な予定調整が実現できます。会議の予約依頼があった場合、まずGoogle Calendarで空き時間を確認し、参加者全員の都合を調整し、最適な時間帯を提案する、という一連の流れをプロンプトで制御できます。さらに、会議の種類や重要度に応じて、確保する時間の長さを変えるといった細かい制御も可能です。

データ分析のシナリオでは、複数のデータソースを組み合わせた高度な分析が実現できます。売上データの分析依頼があった場合、Google Sheetsから最新のデータを取得し、必要に応じて過去のデータと比較し、異常値があればSlackで通知する、といった複雑なワークフローも制御プロンプトで実装できます。

設定方法と実装のポイント

MCP制御プロンプトの設定は、miiboの管理画面から簡単に行えます。Webhook設定画面でMCPサーバーを選択した後、新たに追加された「MCP制御プロンプト」の入力欄にプロンプトを記述します。

プロンプトを記述する際のポイントは、明確で具体的な指示を心がけることです。「重要な場合は通知する」ではなく、「優先度が『高』または『緊急』の場合、かつ営業時間内の場合はSlackに通知する」といった具体的な条件を記述します。また、エラー時の挙動も明確に指定しておくことで、より安定した動作を実現できます。

制御プロンプトは、miiboの他のプロンプト機能と同様に、ステートやクイックリプライといった機能と組み合わせて使用できます。ユーザーのステートに応じて外部サービスの利用方法を変えたり、クイックリプライで選択された内容に基づいて処理を分岐させたりすることも可能です。これにより、よりパーソナライズされた体験を提供できます。

まとめ

MCP制御プロンプトの登場により、miiboの外部サービス連携はさらに強力になりました。プロンプトエンジニアリングの手法を使って、複雑な制御ロジックをノーコードで実装できるようになったことで、より高度な会話型AIの構築が可能になります。この機能を活用することで、単なる質問応答を超えた、実際の業務を自動化する知的なAIエージェントを作成できます。今後もmiiboは、会話型AI開発をより簡単に、より強力にする機能を提供していきます。

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