プロンプトエンジニアリングとA4メモ書き:思考の外部化(言語化)でAIとの対話を革新する方法
Anthropic社Amanda Askell氏の洞察とA4メモ書きの融合で、AIとのコミュニケーション力を飛躍的に向上させる
アクティブリスニングエバンジェリストの岡大徳です。
私は【著者公認】『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』のアクティブリスニングエバンジェリストとして活動しています。この本の著者である赤羽雄二氏は、A4メモ書きを紹介している『ゼロ秒思考』でも知られる方です。
今回は、プロンプトエンジニアリングの世界に新たな視点をもたらす画期的な洞察と、赤羽氏が提唱するA4メモ書きという思考整理の手法について、その意外な共通点と相乗効果をご紹介します。AI時代における効果的なコミュニケーション能力の向上に、これらの手法がどのように貢献するのか、一緒に探っていきましょう。
Anthropicの専門家たちが語るプロンプトエンジニアリングの真髄
2024年9月6日に公開されたAnthropicの動画では、プロンプトエンジニアリングの第一人者たちが、その進化や実践的なヒント、そしてAI能力の成長に伴うプロンプティングの未来について議論しています。出演者は以下の通りです:
Amanda Askell (Alignment Finetuning)
Alex Albert (Developer Relations)
David Hershey (Applied AI)
Zack Witten (Prompt Engineering)
この動画は、プロンプトエンジニアリングの最前線で活躍する専門家たちの生の声を聞くことができる貴重な資料です。
プロンプトエンジニアリングの真髄:思考の外部化
この動画の中で、Anthropic社のAmanda Askell氏が語った言葉から
「プロンプトエンジニアリングの核心は、自分の頭の中にあるものを分析し、完全に理解した上で、特定の専門知識を持たないが、一般的な教育を受け、理性的に考える能力を持つ人にも理解できるように外部化することです。」
この洞察は、AIとの効果的なコミュニケーションの本質を突いています。しかし、これはAIに限った話ではありません。実は、私たち人間同士のコミュニケーションにも深く関わる重要なスキルなのです。
A4メモ書き(思考の言語化)との驚くべき共通点
ここで、「A4メモ書き」という思考整理の手法をご紹介したいと思います。この手法は、赤羽雄二氏の著書『ゼロ秒思考』で提唱されているものです。
『ゼロ秒思考』のA4メモ書きとは、以下のようなシンプルな作業です:
A4の紙に1件1ページ、4~6行、各20~30字を書く
1ページを1分程度でさっと書く
1日に10ページ書く(朝起きてから寝るまでの間)
このシンプルなトレーニングには、驚くべき効果があります:
頭の中の思考が整理される
アイデアの連鎖が促進される
自意識の呪縛から解放される
思考のスピードが向上する
私自身、この手法を実践することで、アクティブリスニングの質を大きく向上させることができました。相手の話を「徹底的に聞く」ためには、自分の頭の中を整理し、先入観や偏見を取り除くことが不可欠だからです。
相乗効果:AIとの対話力を飛躍的に向上させる
これら2つの手法を組み合わせることで、AIとの対話における効果的なプロンプト作成能力を飛躍的に向上させることができます。以下に、具体的な実践方法をご紹介します:
A4メモ書きでアイデアを発散:まず、取り組みたいタスクや解決したい問題について、メモ書きします。
思考の整理:書き出した内容を見直し、キーポイントや重要な概念を抽出します。
プロンプトの構造化:抽出した要素を、AIに理解しやすい形で構造化します。この際、Amanda Askell氏の言葉を思い出し、「特定の専門知識を持たないが、一般的な教育を受け、理性的に考える能力を持つ人」にも理解できる明確さを目指します。
AIとの対話:構造化したプロンプトを使ってAIと対話を始めます。
フィードバックと反復:AIの応答を分析し、必要に応じてA4メモ書きに戻り、思考を深化させます。
この一連のプロセスを繰り返すことで、あなたの思考はより明確になり、AIとの対話もより効果的になっていくでしょう。
Q&A
Q: A4メモ書きとプロンプトエンジニアリングの組み合わせは、どのような場面で特に効果的ですか?
A: 複雑な問題解決や創造的なタスクに取り組む際に特に効果を発揮します。例えば、新製品の企画立案、研究テーマの設定、複雑なデータ分析のアプローチなどの場面で、思考を整理し、AIとの効果的な対話を実現するのに役立ちます。
まとめ
プロンプトエンジニアリングとA4メモ書きの融合は、AIとの対話能力を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。この手法を意識的に実践することで、以下のような利点が得られるでしょう:
より明確で効果的なプロンプトの作成
AIモデルの理解度と応答の質の向上
複雑なタスクにおける思考の整理と問題解決能力の向上
創造性の促進と新しいアイデアの発見
次のステップとして、自分の日常や仕事の中で、A4メモ書きとプロンプトエンジニアリングを組み合わせる機会を見つけてみてください。例えば、生成AIを活用する際に、まずA4メモ書きでアイデアを整理し、それをベースにプロンプトを構築してみるのはいかがでしょうか。
思考の外部化は、人間とAIの両方とのコミュニケーションを改善する強力なツールです。生成AIを活用して、この手法を磨き、より豊かで生産的なAIとの対話を実現していきましょう。
それでは、また次回のニュースレターでお会いしましょう!