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miiboで問題解決AIを作る!論理的思考を組み込んだ会話型AI構築法
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miiboで問題解決AIを作る!論理的思考を組み込んだ会話型AI構築法

MECEやロジックツリーを活用した論理的思考AIをプログラミング不要で構築する方法

問題解決に特化した会話型AIの需要が高まっています。企業や個人が直面する「何がわからないのかわからない」「何をすべきかわからない」「どうすべきかわからない」という課題を、AIとの対話で解決できる時代が到来しました。miiboを活用すれば、MECEやロジックツリーといった論理的思考手法を組み込んだ問題解決型エージェントを、プログラミング不要で構築できます。

本記事では、miiboDesigner岡大徳氏が開発した問題解決型エージェントの事例を基に、効果的な3つの手法を解説します。論理的思考の3ステップ、目的に沿った質問設計、RAGによる専門知識の付与という実践的なアプローチにより、ユーザーと共に最適な解答を導き出す会話型AIの構築方法をご紹介します。実際に動作するエージェントの会話体験も提供しており、理論と実践の両面から問題解決型AI開発の全貌を理解できます。

問題解決における3つの根本的課題

「何かがわからない」という状況は、自分だけの視点では現状を正確に把握できないことから生じます。初めて遭遇する問題では、起きていることがどういう状態なのか正確に理解できません。また、言語化できていない場合、わかっているようでわかっていないこともあります。この課題を解決するには、調べて知識をつける、知っている人に話を聞く、アウトプットして言語化するという3つのアプローチが必要です。

「何をしたらいいのかわからない」という課題は、自分だけの経験では対処法が見つからない場合に発生します。初めて遭遇する問題に対して、どのような行動を取るべきか判断できません。この課題への対処法は、同じ問題への対処事例を調べる、経験者に話を聞く、過去の類似経験から解決策を見つけ出すことです。

「どのようにしたらいいのかわからない」という課題は、自分だけの視点、知識、経験では最適な方法が見つからない場合に生じます。問題への対処方法は分かっても、最も効果的な実行方法が不明な状態です。この課題を解決するには、同じ問題の解決プロセスを調べる、最適解を知る専門家に聞く、既知の方法から応用可能なものを探すという手段があります。

miiboが問題解決に最適な3つの理由

エージェントに聞くことで知識を得られるという点が、miiboの最大の強みです。miiboはLLM(大規模言語モデル)を利用しているため、キーワード検索ではなく自然な話し言葉でやりとりができます。知識はLLMの進化に応じて継続的に蓄積され、会話型AIの特性により、いつでもどこでも質問できる環境を提供します。

言語化のハードルが低いことも、miiboの重要な特徴です。問題解決には、何がわからないか、何をしたらいいのか、どのようにしたらいいのかを言語化する必要があります。miiboは会話型AI構築プラットフォームとして、普段の自然な話し言葉で会話できるインターフェースを持ち、言語化の心理的障壁を大幅に下げています。

特定の問題や領域に特化したエージェントを構築できる柔軟性も、miiboの強みです。プロンプトエディタでエージェントの応答を調整でき、一度設定すれば永続的に機能します。さらに、RAG(Retrieval-Augmented Generation)の仕組みにより、ナレッジデータストアに専門知識を追加することで、特定領域の問題にも対応可能な専門的なエージェントを作成できます。

論理的思考を組み込んだ3ステップ問題解決法

ユーザーからの質問を正確に理解し、解決すべき問題をステートに記録することが第一歩です。記録された問題を軸に、エージェントは一貫した問題解決のための会話を展開します。質問の正確な理解には、言葉の単位への分解、言葉の定義の調整、構造の理解という3つのプロセスが必要です。構造の理解には、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)とロジックツリーを活用します。

MECEとロジックツリーを活用した分析により、問題の全体像を把握します。MECEは「お互いに重複せず、全体にモレがない」状態を作り出し、ロジックツリーは論理的思考を可視化します。要素分解、原因特定、問題解決のためのアクション、数値目標の整理が可能になり、自分の視点や知識、経験だけでは不足する部分を補完できます。

最高の回答を生成するために、ピラミッドストラクチャーと適切な表現方法を選択します。ピラミッドストラクチャーは、最も伝えたいことを頂点に置き、それを支えるメッセージやエビデンスを階層的に配置する手法です。回答の表現方法としては、PREP法(結論・理由・具体例・結論)、SDS法(要点・詳細・要点)、DESC法(描写・説明・提案・選択)から、問題の性質に応じて最適なものを選択します。

目的に沿った質問設計による情報補完

論理的思考の3ステップだけでは、ユーザーの限られた視点や知識、経験の範囲内でエージェントが回答してしまう可能性があります。この限界を克服するため、足りない情報を積極的にユーザーに質問する仕組みが不可欠です。理解できない言葉がある場合、言葉の定義が複数ある場合、ロジックツリーがつながらない場合、MECEでモレやダブりがある場合に、適切な質問を生成します。

連想語と関連語を考慮した特定化と、仮説思考ツールの活用により、効果的な質問を設計します。単に不明点を聞くのではなく、問題解決に必要な情報を戦略的に収集する質問を行います。状況把握のための情報と、回答生成のための情報を区別し、それぞれに適した質問方法を採用します。

質問と回答の繰り返しによる反復的な改善プロセスが、最適解への到達を可能にします。ピラミッドストラクチャーで回答を組み立てる際に不足する情報があれば、仮説思考ツールを利用して質問を生成します。ステートに記録された解決すべき問題を軸に問答を繰り返すことで、エージェントとユーザーが協働して問題を解決していきます。

実践的な問題解決型エージェントの構築手順

プロンプトエディタでの問題解決プロンプトの入力が、エージェント構築の第一歩です。論理的思考の3ステップ、MECEとロジックツリーの活用方法、適切な質問生成のロジックをプロンプトに組み込みます。プロンプトエディタの使い方については、miiboDesigner岡大徳氏が詳細な解説記事を提供しており、初心者でも理解しやすい内容となっています。

ナレッジデータストアへの特定領域情報の追加により、専門性を付与します。問題解決に特定領域の知識が必要な場合、関連するドキュメントやデータをナレッジデータストアに登録します。RAGの仕組みにより、エージェントは必要に応じてこれらの情報を参照し、より精度の高い回答を生成できるようになります。

エージェントの公開設定を行い、実際に利用可能な状態にします。miiboDesigner岡大徳氏が提供する問題解決型エージェントは実際に体験可能で、「わからないを解決したい」を選択することで、論理的思考に基づいた問題解決プロセスを体験できます。この実例を参考に、独自の問題解決型エージェントを構築できます。

まとめ

miiboを活用した問題解決型エージェントの構築は、論理的思考手法とAI技術の融合により、従来の問題解決アプローチを大きく進化させます。MECEやロジックツリーといった思考フレームワークをAIに組み込むことで、体系的かつ効果的な問題解決が可能になります。プログラミング不要で高度な対話システムを構築できるmiiboの特性により、誰もが専門的な問題解決型AIを作成し、活用できる時代が到来しています。

解説記事はこちら:問題解決するmiiboのつくり方と3つの効果的な手法を徹底解説(https://daitoku0110.net/problem-solution/)

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