岡大徳のメルマガ
岡大徳のポッドキャスト
在宅薬剤管理が変わる3つのポイント|令和8年度改定で訪問指導料を見直し
0:00
-6:48

在宅薬剤管理が変わる3つのポイント|令和8年度改定で訪問指導料を見直し

算定間隔の撤廃・夜間連絡先の通知義務化・複数名訪問料新設を一気に整理します

在宅で療養する患者は、高齢化の進展により今後さらに増加が見込まれています。この状況下で、訪問薬剤管理指導には、円滑な実施と実効性のさらなる改善が求められています。そこで令和8年度の診療報酬改定では、在宅患者訪問薬剤管理指導料の要件見直しと、新たな点数の新設が行われます。

今回の改定の柱は、3つあります。第1に、在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定間隔「6日以上」の要件を廃止し、週1回までの算定を可能とします。第2に、休日・夜間を含む開局時間外の対応体制について、在宅協力薬局を含む連絡先を患者に知らせることを要件化します。第3に、複数名薬剤管理指導訪問料300点を新設し、運動興奮等がみられる患者への複数名訪問を評価します。

算定間隔「6日以上」の要件廃止

在宅患者訪問薬剤管理指導料では、これまで月2回以上算定する場合に「算定する日の間隔は6日以上」とする要件がありました。今回の改定では、この間隔要件が廃止され、週1回を限度として算定できる仕組みに変わります。

現行制度では、間隔要件が在宅薬剤管理の柔軟性を制約していました。たとえば、患者の状態が悪化して短期間に複数回の訪問が必要となっても、6日以上の間隔を空けないと算定できませんでした。この硬直的な運用は、患者の状態に応じた機動的な訪問薬剤管理を妨げる要因となっていました。

改定後は、算定回数が週1回を限度となり、間隔要件は問われなくなります。たとえば、ある週の金曜日に訪問し、翌週の月曜日に訪問するという4日間隔の訪問計画が可能となります。現行の6日以上の間隔要件では、このような訪問は認められませんでした。なお、末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者、中心静脈栄養法の対象患者については、従来どおり在宅患者オンライン薬剤管理指導料と合わせて週2回かつ月8回まで算定できます。また、合算規定の文言は現行の「又は」から改定後の「及び」に変更され、合算対象であることが明確化されています。

夜間連絡先の通知要件化

休日・夜間を含む開局時間外の調剤・訪問薬剤管理指導への対応体制について、患者への情報提供が要件化されます。具体的には、保険薬剤師の連絡先電話番号と緊急時の注意事項を、原則として初回訪問時に文書で交付することが求められます。

この要件では、在宅協力薬局を活用する場合の取扱いも明確化されています。在宅協力薬局との連携により時間外対応の体制を整備している保険薬局では、在宅協力薬局の所在地、名称、連絡先電話番号等も交付文書に含める必要があります。患者は、自薬局が対応できない時間帯でも、どこに連絡すればよいかが事前に把握できます。

患者からの問い合わせに応じられなかった場合の対応も、明確に定められています。やむを得ない事由で電話等による問い合わせに応じることができなかった場合は、速やかに折り返しの連絡を行うことが求められます。この運用により、患者は時間外であっても薬剤師と確実に連絡を取れる安心感を得られます。

複数名薬剤管理指導訪問料300点の新設

複数名薬剤管理指導訪問料300点が、令和8年度改定で新設されます。この点数は、行動面で運動興奮等がみられる患者に対し、薬剤師が他の者と同時に複数名で訪問する場合を評価するものです。

対象患者は、通院が困難な患者のうち、医師が複数名訪問の必要性があると認めるものに限られます。算定要件のベースとなるのは、在宅患者訪問薬剤管理指導料の1(単一建物診療患者が1人の場合)を算定している患者です。これに加えて、施設基準で定める「厚生労働大臣が定める患者」も対象となります。

施設基準で定める対象患者は、3類型に整理されます。第1に、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定している患者(在宅患者訪問薬剤管理指導料の1を算定している患者に限る)です。第2に、居宅療養管理指導費を算定している患者(薬局の薬剤師が行う場合で、単一建物居住者が1人の場合に限る)です。第3に、介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者(同条件)です。

算定要件では、同行者の範囲と算定除外も明確に規定されています。同行者は、当該保険薬局または在宅協力薬局に勤務する職員であり、薬剤師以外の者も含まれます。ただし、在宅患者緊急時等共同指導料、在宅移行初期管理料、訪問薬剤管理医師同時指導料に係る必要な指導等を同日に行った場合は、複数名薬剤管理指導訪問料は算定できません。

まとめ:在宅薬剤管理の柔軟性と安全性が向上

令和8年度改定では、在宅薬剤管理に関する3つの見直しが行われます。算定間隔「6日以上」の要件廃止により、患者の状態に応じた柔軟な訪問計画が可能となります。夜間連絡先の通知要件化により、患者は時間外でも確実に薬剤師と連絡を取れます。複数名薬剤管理指導訪問料300点の新設により、運動興奮等がある患者への安全な訪問薬剤管理が新たに評価されます。これらの改定は、増加する在宅療養患者に対する訪問薬剤管理指導の実効性を、総合的に高める内容となっています。

このエピソードについてのディスカッション

Userのアバター

もっと続けますか?