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令和8年度診療報酬改定|改定率+3.09%の内訳と5つの重要ポイント
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令和8年度診療報酬改定|改定率+3.09%の内訳と5つの重要ポイント

2年度平均で+3.09%、賃上げ分+1.70%・物価対応分+0.76%の配分と施設類型別の詳細を解説

令和7年12月24日の予算大臣折衝を経て、令和8年度診療報酬改定の改定率が決定しました。令和6年度改定以降の経営環境悪化を踏まえた緊急対応と、物価上昇への本格的な対応が盛り込まれています。本稿では、中央社会保険医療協議会総会(第639回)で示された改定率の内訳と制度変更のポイントを解説します。

今回の改定の要点は5つです。診療報酬本体は2年度平均で+3.09%の引き上げとなり、賃上げ分+1.70%と物価対応分+0.76%が主な内訳です。施設類型ごとにメリハリをつけた配分が行われ、特に病院への重点配分が図られました。薬価等は▲0.87%の引き下げとなります。制度面では、医師偏在対策や経営情報の見える化に向けた対応が盛り込まれました。

診療報酬本体の改定率

診療報酬本体の改定率は、2年度平均で+3.09%です。令和8年度は+2.41%(国費2,348億円程度)、令和9年度は+3.77%となります。施行日は令和8年6月です。

この改定率は、当初予算段階から所要の歳出歳入を織り込む運営への質的転換を図る観点で設計されました。「経済財政運営と改革の基本方針2025」および「強い経済を実現する総合経済対策」に基づき、施設類型ごとの費用構造や経営実態を踏まえた対応が行われています。各科改定率は、医科+0.28%、歯科+0.31%、調剤+0.08%です。

改定率の内訳

改定率+3.09%は、6つの要素で構成されています。賃上げ分が+1.70%、物価対応分が+0.76%、食費・光熱水費分が+0.09%、緊急対応分が+0.44%です。効率化による▲0.15%を差し引き、その他改定分+0.25%が加わります。

賃上げ分+1.70%は、医療関係職種の処遇改善を目的としています。令和8年度・令和9年度それぞれで+3.2%のベースアップ実現を支援し、看護補助者と事務職員については5.7%のベースアップを目指します。賃上げ分のうち+0.28%は、医療機関の賃上げ余力回復のための特例的な対応として措置されました。

物価対応分+0.76%は、施設類型ごとに配分されます。病院は+0.49%、医科診療所は+0.10%、歯科診療所は+0.02%、保険薬局は+0.01%です。高度機能医療を担う病院(大学病院を含む)については、物価高の影響を受けやすいことを踏まえ、+0.14%の特例的な対応が追加されました。

食費・光熱水費分+0.09%では、入院時の食費基準額を1食あたり40円引き上げます。光熱水費基準額は1日あたり60円の引き上げです。患者負担については、低所得者や指定難病患者等への配慮措置が設けられています。

緊急対応分+0.44%は、令和6年度改定以降の経営環境悪化に対応するものです。病院に+0.40%、医科診療所に+0.02%、歯科診療所に+0.01%、保険薬局に+0.01%が配分されます。

効率化▲0.15%は、後発医薬品への置換え進展を踏まえた処方・調剤評価の適正化によるものです。在宅医療・訪問看護関係の評価適正化や、長期処方・リフィル処方の取組強化も含まれています。

薬価等の改定

薬価等は合計で▲0.87%の引き下げです。内訳は、薬価が▲0.86%(国費▲1,052億円程度)、材料価格が▲0.01%(国費▲11億円程度)です。

薬価は令和8年4月施行、材料価格は令和8年6月施行となります。薬価制度改革では、市場拡大再算定の類似品の薬価引下げ(いわゆる共連れ)が廃止されます。この変更は、製薬企業の予見可能性を高める観点から行われました。

診療報酬制度の関連事項

制度面では、4つの重要な対応が示されました。令和9年度の調整、賃上げの実効性確保、医師偏在対策、経営情報の見える化です。

令和9年度の調整については、経済・物価動向が見通しから大きく変動した場合に対応します。令和9年度予算編成において加減算を含む調整を行うため、令和8年度の医療機関の経営状況調査を実施します。

賃上げの実効性確保では、より多くの職種を対象とした仕組みを構築します。令和6年度改定で入院基本料や初・再診料により賃上げ原資が配分された職種(40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者)についても、ベースアップ評価料の対象職種と同様の実効性確保の仕組みが適用されます。

医師偏在対策では、診療報酬上の減算措置が導入されます。外来医師過多区域において無床診療所の新規開業者が都道府県知事からの要請に従わない場合が対象です。医師多数区域での更なるディスインセンティブ措置の在り方や、重点医師偏在対策支援区域における医師手当事業に関する診療報酬での財源確保の在り方については、令和10年度改定で結論を得ることとされました。

経営情報の見える化では、MCDB(医療法人の経営情報のデータベース)の活用が進みます。職種別の給与・人数の報告義務化を含め、令和8年中に必要な見直しについて結論を得る予定です。診療所の「その他の医業費用」の内容把握など、報告様式の精緻化も検討されます。

まとめ

令和8年度診療報酬改定は、2年度平均で+3.09%のプラス改定となりました。賃上げ分+1.70%と物価対応分+0.76%を中心に、施設類型ごとにメリハリをつけた配分が行われます。特に病院への重点配分と、看護補助者・事務職員への手厚い賃上げ支援が特徴です。制度面では、賃上げ実効性確保の仕組み構築、医師偏在対策の強化、経営情報の見える化が進められます。令和9年度には経済・物価動向を踏まえた調整が予定されており、継続的な対応が図られる見込みです。

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