骨塩定量検査は、骨粗鬆症の診断と経過観察に用いる検査です。現行では、医療機関はこの検査を4月に1回算定できます。しかし、この算定頻度は、関係学会が示す治療管理での位置付けと一致していません。本稿は、令和8年度診療報酬改定で見直される骨塩定量検査の算定回数を、現行と比較して解説します。
今回の改定は、骨塩定量検査の算定回数を見直し、頻回な検査を適正化します。見直しの背景には、学会ガイドラインにおける骨塩定量検査の位置付けがあります。原則の算定頻度は、4月に1回から1年に1回に変わります。ただし、治療開始1年以内や骨量が急激に変動する患者など、6つのケースでは、引き続き4月に1回算定できます。
改定の背景:学会ガイドラインを踏まえた頻度の見直し
今回の見直しは、関係学会が示す骨粗鬆症の治療管理での骨塩定量検査の位置付けを踏まえています。
現行の算定要件は、検査の種類を問わず一律に4月に1回を認めています。一方、関係学会は、骨粗鬆症の治療管理のなかで骨塩定量検査の位置付けを整理しています。今回の改定は、この学会の位置付けを踏まえ、一律のルールを見直すものです。
この見直しによって、骨量が安定している患者の算定頻度が、学会の位置付けに沿った形に改められます。これにより、診療報酬の算定ルールが、骨粗鬆症診療の実態に近づきます。
改定内容:原則の算定頻度を「4月に1回」から「1年に1回」へ
改定後は、骨塩定量検査(D217)の原則の算定頻度を、4月に1回から1年に1回に変更します。
現行の算定要件は、検査の種類にかかわらず、患者1人につき4月に1回を上限としています。改定後の算定要件は、この上限を患者1人につき1年に1回に引き下げます。つまり、骨量が安定している患者では、年に1回の測定が標準になります。
ただし、治療開始後の早い時期は、例外として4月に1回を維持します。改定案では、骨粗鬆症の治療を開始した日から1年以内の場合に、患者1人につき4月に1回算定できると定めています。治療開始直後は骨量の変化を細かく確認する必要があるためです。
現行と改定案の違いは、次の3点に整理できます。第1に、原則の算定頻度は、現行の4月に1回から、改定案では1年に1回に変わります。第2に、治療開始1年以内の取り扱いは、現行では区別なく4月に1回でしたが、改定案でも引き続き4月に1回となります。第3に、例外の取り扱いは、現行では規定がありませんでしたが、改定案では6つのケースに限って4月に1回を認めます。
例外:引き続き「4月に1回」算定できる6つのケース
治療開始1年以内や骨量が急激に変動する患者など、特定の6つのケースでは、例外として、引き続き4月に1回算定できます。
改定案は、急激な骨減少または骨増加をきたす病態や薬剤投与時を、例外として位置付けています。これらの患者は、骨量の変化を短い間隔で確認する必要があるためです。具体的には、以下のアからカのいずれかに該当する場合に、4月に1回算定できます。
ア 骨粗鬆症の治療を開始した日から1年以内の場合
イ 新たに骨折した場合
ウ 関係学会のガイドラインで示されている骨折危険因子が新規に増えた場合
エ ビスホスホネート薬治療の中断を検討する場合
オ グルココルチコイド、アロマターゼ阻害薬、抗アンドロゲン薬、骨形成促進薬など、骨減少または骨増加をきたす薬剤を投与する場合
カ 吸収不良、全身性炎症性疾患、長期不動、人工閉経など、骨減少または骨増加をきたす疾患などを有する場合
これらに該当しない患者は、原則どおり1年に1回の算定となります。したがって、医療機関は、患者がアからカのいずれかに該当するかを確認したうえで、算定頻度を判断します。
まとめ:原則は「年1回」、骨量が変動する例外は「4月1回」
今回の改定は、骨塩定量検査の算定回数を見直し、頻回な検査を適正化します。見直しの背景には、学会ガイドラインにおける骨塩定量検査の位置付けがあります。原則の算定頻度は、4月に1回から1年に1回に変わります。ただし、治療開始1年以内や骨量が急激に変動する患者など、6つのケースでは、引き続き4月に1回算定できます。医療機関は、患者が例外に該当するかを確認したうえで、適切な算定頻度を選択することが求められます。










