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【令和8年度改定】救命救急入院料が4区分から2区分へ|点数・施設基準の変更点を解説
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【令和8年度改定】救命救急入院料が4区分から2区分へ|点数・施設基準の変更点を解説

広範囲熱傷の区分を廃止し加算に移行、番号体系の再編と点数引き上げのポイント

令和8年度診療報酬改定では、救命救急入院料の評価体系が大きく見直されます。従来の4区分(入院料1~4)が2区分(入院料1・2)に統合されます。この見直しは、広範囲熱傷特定集中治療管理料の有無で分かれていた区分を簡素化することが目的です。

今回の見直しのポイントは3つです。第1に、入院料3・4が廃止され、広範囲熱傷への対応は新設の「広範囲熱傷管理加算」(200点)に移行します。第2に、番号体系が再編され、2対1看護の体制が新しい「入院料1」、4対1看護の体制が新しい「入院料2」となります。第3に、同じ看護体制で比較すると、いずれの区分も点数が引き上げられます。

区分統合の全体像:4区分から2区分へ

今回の改定では、救命救急入院料1~4の4区分が、入院料1・2の2区分に統合されます。この統合の背景には、広範囲熱傷特定集中治療管理料の有無だけで区分が分かれていた評価体系の複雑さがあります。

現行の救命救急入院料は、看護配置が4対1の入院料1・3と、2対1の入院料2・4の2系統に分かれています。このうち入院料3は入院料1に広範囲熱傷の体制を加えたもの、入院料4は入院料2に同じく広範囲熱傷の体制を加えたものです。つまり、入院料1と3、入院料2と4は、広範囲熱傷への対応の有無だけが異なる関係にありました。

改定後は、この広範囲熱傷の区分が廃止され、番号体系も再編されます。現行の入院料2・4(2対1看護)の体制が新しい「入院料1」に、現行の入院料1・3(4対1看護)の体制が新しい「入院料2」に再編されます。広範囲熱傷患者への対応は、別途新設される加算で評価する仕組みに変わります。番号と看護体制の対応関係が変わる点に注意が必要です。

点数の変更:同じ体制で比較するといずれも引き上げ

新しい入院料1・2の点数は、同じ看護体制で比較すると、いずれも現行より引き上げられます。ただし、番号体系が再編されているため、単純に同じ番号同士で比較すると実態を見誤ります。以下に、看護体制ごとの改定前後の点数を示します。

2対1看護の体制(現行:入院料2 → 改定後:入院料1)の点数は次のとおりです。3日以内は11,847点から12,379点に(+532点)、4日以上7日以内は10,731点から11,240点に(+509点)、8日以上は9,413点から9,894点に(+481点)引き上げられます。

4対1看護の体制(現行:入院料1 → 改定後:入院料2)の点数は次のとおりです。3日以内は10,268点から10,623点に(+355点)、4日以上7日以内は9,292点から9,629点に(+337点)、8日以上は7,934点から8,469点に(+535点)引き上げられます。

改定後は、看護体制の手厚い順に「入院料1(2対1)>入院料2(4対1)」という番号体系になります。この構造は、体制が手厚いほど高い点数が設定されるという原則に沿ったものです。現行では2対1の体制が「入院料2」という番号でしたが、改定後はこれが「入院料1」に変わります。

広範囲熱傷管理加算の新設:入院料3・4に代わる評価

入院料3・4の廃止に伴い、広範囲熱傷患者への対応は「広範囲熱傷管理加算」として新たに評価されます。この加算は、入院日から起算して8日以降60日までの期間に限り、1日につき200点を所定点数に加算するものです。

広範囲熱傷管理加算を算定するには、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす必要があります。具体的には、広範囲熱傷特定集中治療を行うにふさわしい治療室を有しており、1床当たり15平方メートル以上の広さがあること、当該保険医療機関に広範囲熱傷特定集中治療を担当する常勤の医師が勤務していること、の2点です。これらの要件は、現行の入院料3・4の施設基準から引き継がれたものです。

広範囲熱傷特定集中治療管理が必要な患者の算定日数上限も変わりません。広範囲熱傷管理加算を算定する患者は、従来どおり入院料の所定点数を最長60日まで算定できます。

施設基準の変更:番号再編に伴う要件の整理

施設基準は、番号体系の再編に合わせて整理されています。重要な変更点は、改定後の入院料1に、特定集中治療室管理料の基準が明示的に求められるようになった点です。

改定後の入院料1(2対1看護)は、現行の入院料2に対応する施設基準をベースとしつつ、新たに「特定集中治療室管理料1の(6)から(8)まで及び(11)並びに特定集中治療室管理料2の(2)及び(5)の施設基準を満たすこと」が要件として明記されました。現行の入院料2でも特定集中治療室管理料1又は3の基準を満たす必要がありましたが、改定後は参照する基準の範囲が整理されています。

改定後の入院料2(4対1看護)は、入院料1の基準の一部を満たした上で、ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度の測定・評価を行うことが求められます。この要件は、現行の入院料1で求められていた内容と同様です。

また、入院料1の医師配置に関する表現も変更されます。現行の「当該治療室勤務の医師」が「当該治療室専任の医師」に改められ、治療室への専従性がより明確になります。

届出の対応:現行区分ごとの移行先

番号体系が再編されるため、現行の届出区分ごとに、改定後の移行先を正しく把握する必要があります。

現行の入院料1(4対1看護)を届け出ている医療機関は、改定後は「入院料2」に移行します。現行の入院料2(2対1看護)を届け出ている医療機関は、改定後は「入院料1」に移行します。いずれも看護体制は変わりませんが、届出上の番号が変わります。

現行の入院料3(入院料1+広範囲熱傷)を届け出ている医療機関は、改定後は「入院料2」+「広範囲熱傷管理加算」の届出に切り替えます。現行の入院料4(入院料2+広範囲熱傷)を届け出ている医療機関は、改定後は「入院料1」+「広範囲熱傷管理加算」の届出に切り替えます。

まとめ

令和8年度改定における救命救急入院料の見直しは、4区分から2区分への統合と番号体系の再編が最大の変更点です。広範囲熱傷の区分(入院料3・4)は廃止され、代わりに広範囲熱傷管理加算(200点)が新設されます。番号体系は、2対1看護が「入院料1」、4対1看護が「入院料2」に再編されるため、現行の入院料1を届け出ている医療機関は「入院料2」に、現行の入院料2を届け出ている医療機関は「入院料1」に移行する形になります。点数は同じ看護体制で比較するといずれも引き上げとなるため、実質的な引き下げはありません。施設基準の変更内容を確認の上、届出の切り替え準備を進める必要があります。

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