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検体検査管理加算の見直し|令和8年度改定でパニック値対応が要件に
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検体検査管理加算の見直し|令和8年度改定でパニック値対応が要件に

グルコース・カリウム・血小板の閾値設定と医師への連絡体制を詳しく解説

令和8年度診療報酬改定では、検体検査管理加算の施設基準が見直されます。検体検査管理加算とは、院内で実施する検体検査の精度を組織的に管理する医療機関を評価する加算です。これまでの基準には、検査結果が生命に関わる異常値を示した際の対応について、明確な定めがありませんでした。今回の改定は、この異常値への対応体制を施設基準に位置づけ、患者への安心・安全な医療の提供を更に推進することを目的としています。

今回の見直しでは、検体検査管理加算(Ⅱ)、(Ⅲ)及び(Ⅳ)に、パニック値への対応体制を整えることが望ましいという要件が追加されます。パニック値とは、生命が危ぶまれるような状態を示唆する検査の異常値です。医療機関には第一に、グルコース、カリウム及び血小板についてパニック値の閾値を設定することが求められます。第二に、パニック値が出た際に速やかに担当医師へ連絡することが求められます。第三に、検査結果報告書にパニック値であることがわかる表示を行うことが求められます。

見直しの背景と基本的な考え方

今回の見直しは、医療安全対策の推進という改定方針に沿うものです。令和8年度改定では「患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価」が重点項目に掲げられました。検体検査管理加算の見直しは、この重点項目を構成する個別改定項目の一つに位置づけられます。

検体検査管理加算は、院内検査の品質を組織的に管理する体制を評価する加算です。この加算は管理体制の水準に応じて(Ⅰ)から(Ⅳ)まで段階的に区分されています。これらの区分のうち、より高い管理水準を評価する(Ⅱ)、(Ⅲ)及び(Ⅳ)が、今回の見直しの対象です。

見直しの対象となった3区分では、検査結果が異常値を示した際の対応が課題でした。検査値の中には、放置すれば患者の生命を脅かすパニック値が含まれます。このパニック値への対応は、これまで各医療機関の運用に委ねられ、施設基準には明示されていませんでした。そこで今回の改定は、パニック値への対応体制を施設基準に追加し、安心・安全な医療の提供を更に推進することとしました。

パニック値の閾値設定(要件ア)

第一の要件は、パニック値の閾値を設定することです。閾値とは、検査値が異常値かどうかを判定する境界の数値を指します。医療機関は、院内で実施する検体検査について、この閾値をあらかじめ定めておくことが望ましいとされます。

閾値の設定が望ましい検査項目は、少なくともグルコース、カリウム及び血小板の3項目です。グルコースは血糖値であり、極端な高値や低値が意識障害を招きます。カリウムは電解質であり、異常値が重い不整脈の原因となります。血小板は止血に関わる成分であり、著しい減少が出血の危険を高めます。これら3項目は、いずれも異常値が生命に直結するため、優先して閾値を設定する対象とされました。

パニック値が出た際の対応体制(要件イ・ウ)

第二と第三の要件は、パニック値が出た際の連絡と表示の体制です。閾値を設定するだけでは、異常値を見逃すおそれが残ります。そこで改定案は、パニック値を検出した後の具体的な対応も体制として整えることを望ましいとしました。

連絡の要件では、パニック値が出た際に速やかに担当医師へ伝えることが求められます。医師への伝達は、看護師等を経由して連絡しても差し支えありません。また、連絡を受けた医師は、パニック値に対して行った対応を遅滞なく診療録に記載するよう努めることとされています。

表示の要件では、検査結果報告書にパニック値であることがわかる表示を行うことが求められます。報告書の中で異常値が他の数値に埋もれると、対応が遅れるおそれがあります。そのため、結果がパニック値であると一目で判別できる表示を行うよう努めることとされました。

加算(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)への反映

今回追加された要件は、3区分すべてに連動して反映されます。新しい要件は、まず検体検査管理加算(Ⅳ)の施設基準に項目(7)として新設されます。続いて、上位区分の(Ⅱ)と(Ⅲ)が(Ⅳ)の基準を引用する形で、この新要件を取り込みます。

具体的には、(Ⅱ)と(Ⅲ)が引用する(Ⅳ)の基準の範囲が広がります。現行では、(Ⅱ)は(Ⅳ)の(3)から(6)までを、(Ⅲ)は(Ⅳ)の(2)から(6)までを満たすこととされていました。改定案では、(Ⅱ)は(Ⅳ)の(3)から(7)までを、(Ⅲ)は(Ⅳ)の(2)から(7)までを満たすこととされます。この引用範囲の拡大により、新設された(7)が(Ⅱ)と(Ⅲ)にも適用されます。

なお、これらの要件はいずれも「望ましい」と位置づけられている点に留意が必要です。望ましいとは、必須ではないものの実施が推奨される努力義務的な扱いを指します。したがって、各医療機関は自院の体制を見直し、パニック値への対応を整えていくことが期待されます。

まとめ

令和8年度改定では、医療安全対策の推進を目的として、検体検査管理加算の施設基準が見直されます。見直しの対象は、検体検査管理加算(Ⅱ)、(Ⅲ)及び(Ⅳ)の3区分です。これらの区分には、生命が危ぶまれる異常値であるパニック値への対応体制を整えることが望ましいという要件が追加されます。具体的には、グルコース・カリウム・血小板の閾値設定、パニック値検出時の医師への速やかな連絡と診療録への記載、検査結果報告書での明示の3点が求められます。各医療機関は、これらの要件に沿って院内の検査体制を点検し、より安心・安全な医療の提供につなげることが期待されます。

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