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バイオ後続品調剤体制加算50点を新設|令和8年度改定で薬局に求められる3つの対応
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バイオ後続品調剤体制加算50点を新設|令和8年度改定で薬局に求められる3つの対応

新設加算の施設基準から特定薬剤管理指導加算3・療担規則改正まで実務目線で解説

バイオ後続品は、政府が使用促進の数値目標を掲げる重点分野です。政府は「2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分数を全体の成分数の60%以上とする」という目標を設定しました。しかし、薬局がバイオ医薬品を扱うには、保冷庫の確保や高額な在庫を抱えるリスクという負担が伴います。加えて、療担規則および薬担規則には、バイオ後続品に関する規定がこれまでありませんでした。本稿では、令和8年度診療報酬改定で新設・見直しされる薬局のバイオ後続品対応について、3つの改定内容と実務上の準備事項を解説します。

令和8年度改定は、薬局のバイオ後続品対応を「体制」「説明」「ルール」の3方向から後押しします。第一に、バイオ後続品調剤体制加算50点を新設し、調剤体制を整えた薬局を評価します。第二に、特定薬剤管理指導加算3のロ(10点)の対象に、バイオ後続品に関する患者説明を追加します。第三に、療担規則および薬担規則にバイオ後続品を位置づけ、医療機関と薬局の努力義務を明確にします。

1. バイオ後続品調剤体制加算50点の新設

バイオ後続品調剤体制加算は、バイオ後続品の調剤体制を有する薬局を評価する新設加算です。この加算は、届出を行った保険薬局がバイオ後続品を調剤した場合に、50点を所定点数に加算します。薬局における保管や在庫管理の負担に着目した評価です。

算定対象となるのは、インスリン製剤を除くバイオ後続品の調剤です。算定にあたっては、施設基準に適合する旨を地方厚生局長等に届け出る必要があります。ただし、調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局は、算定対象から除かれます。特別調剤基本料Aを算定する薬局では、加算点数は100分の10に相当する点数(5点)となります。

施設基準は、告示と通知の二段構えで定められます。告示では、バイオ医薬品の適切な保管と患者への適切な説明が可能であり、バイオ後続品の調剤に必要な体制が整備されていることを求めます。通知では、これに加えて2つの事項を定めます。ひとつは、成分ごとの使用割合に関する要件です。具体的には、当該薬局で調剤したバイオ医薬品(バイオ後続品のあるものに限る)とそのバイオ後続品の規格単位数量を合算した数量に占めるバイオ後続品の規格単位数量の割合が80%以上となる成分の数を、当該薬局で調剤実績のあるバイオ医薬品の成分数の60%以上とすることが望ましいとされています。もうひとつは、バイオ後続品の調剤を積極的に行っている旨を薬局の内側および外側の見えやすい場所に掲示するという要件です。

割合要件は「望ましい」規定として示されています。この水準は、政府目標である「2029年度末までにバイオシミラーが80%以上を占める成分数を全体の成分数の60%以上とする」という考え方と同じ設計です。要件の対象がバイオ後続品のあるバイオ医薬品に限られる点を踏まえ、成分ごとの使用割合を早期に把握しておくことが実務上の備えとなります(なお、今後の取扱いは告示・通知の発出内容によります)。

2. 特定薬剤管理指導加算3ロへの対象追加

特定薬剤管理指導加算3のロは、調剤前の医薬品選択に関する説明を評価する加算です。この加算は現行10点で、患者1人につき当該品目に関して最初に処方された1回に限り算定します(本項目では点数の見直しは示されていません)。従来の対象は、選定療養の対象となる先発医薬品を選択しようとする患者への説明と、供給不安により銘柄変更が必要となる患者への説明の2つでした。

今回の改定では、この対象に3つ目の場面が加わります。追加されるのは、バイオ医薬品の一般名処方による処方箋の交付を受けた患者、またはバイオ後続品が処方された患者に対して、バイオ後続品の品質、有効性、安全性等について説明を行った場合です。

対象追加の背景には、処方医からの期待があります。厚生労働省の調査では、バイオ後続品を院外処方する際に薬局・薬剤師に望むこととして、「患者に対して、バイオ後続品の品質や有効性、安全性について説明を行うこと」を挙げた医師が66.3%と最多でした。バイオ後続品は先行品と「同一」ではなく「同等・同質」であるため、患者の納得を得るには薬剤師による丁寧な説明が欠かせません。

3. 療担規則・薬担規則へのバイオ後続品の位置づけ

療担規則と薬担規則の改正は、バイオ後続品を後発医薬品と並ぶ位置づけに引き上げるものです。従来、両規則には後発医薬品の使用促進に関する規定はあっても、バイオ後続品に関する記載がありませんでした。今回の改正で、この空白が埋まります。

保険医療機関及び保険医療養担当規則では、投薬と注射の両方にバイオ後続品が追加されます。投薬については、後発医薬品とバイオ後続品の使用を考慮するとともに、患者に選択の機会を提供する等、患者が選択しやすくするための対応に努める旨が規定されます。注射については、後発医薬品またはバイオ後続品の使用を考慮するよう努める旨が規定されます。これらの規定は、歯科診療の具体的方針にも同様に置かれます。

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則では、備蓄体制と説明義務の2点が改正されます。第七条の二は「後発医薬品の調剤」から「後発医薬品及びバイオ後続品の調剤」に見出しを改め、薬局にバイオ後続品の備蓄体制その他の調剤に必要な体制の確保を求めます。第八条第3項は、患者への説明と調剤の2つを規定します。対象となるのは、処方箋に記載された医薬品に係る後発医薬品またはバイオ後続品が厚生労働大臣の定める医薬品である場合であって、処方箋を発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているとき、または遺伝子組換え技術を応用して製造される医薬品の一般的名称を記載する処方箋を交付したときです。この場合、保険薬剤師は患者に対して後発医薬品またはバイオ後続品に関する説明を適切に行わなければならず、あわせてこれらを調剤するよう努めなければなりません。説明は義務、調剤は努力義務として書き分けられている点に注意が必要です。

4. 薬局が準備すべき3つの対応

改定を算定に結びつけるには、施行前からの準備が鍵となります。準備すべき事項は、実績の把握、体制の整備、説明の標準化の3つに整理できます。

第一に、バイオ医薬品の調剤実績を成分単位で把握します。把握すべき指標は、調剤実績のあるバイオ医薬品の成分数と、そのうちバイオ後続品の使用割合が80%以上となる成分数です。この2つの数値から、通知が求める60%の水準に達しているかを確認します。

第二に、保管体制と掲示物を整備します。整備すべき対象は、バイオ医薬品の適切な保管を可能とする保冷庫と、バイオ後続品の調剤を積極的に行っている旨の掲示です。掲示は薬局の内側と外側の双方に必要であるため、店舗ごとに設置場所を点検します。

第三に、患者への説明内容を標準化します。標準化すべき内容は、バイオ後続品の品質、有効性、安全性等に関する説明です。説明の要点と使用する資材を薬局内で共有すれば、特定薬剤管理指導加算3のロの算定と、薬担規則が求める説明義務の履行を同時に満たせます。

まとめ

令和8年度診療報酬改定は、薬局のバイオ後続品対応を体制・説明・ルールの3方向から後押しします。体制面では、バイオ後続品調剤体制加算50点が新設され、届出と掲示、成分ごとの使用割合の把握が求められます。説明面では、特定薬剤管理指導加算3のロの対象にバイオ後続品の説明が追加され、処方医が最も期待する役割が評価されます。ルール面では、療担規則と薬担規則にバイオ後続品が位置づけられ、備蓄体制の確保が努力義務、患者への説明が義務として明確になります。施行に向けて、実績の把握、体制の整備、説明の標準化を早期に進めましょう。

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