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令和8年度改定|処方箋料の見直し 一般名処方加算は8点・6点へ
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令和8年度改定|処方箋料の見直し 一般名処方加算は8点・6点へ

一般名処方加算1は10点から8点へ。引下げの背景と医療機関への影響を3分で整理します

令和8年度診療報酬改定で、処方箋料の評価体系が見直されます。厚生労働省は個別改定項目「Ⅳ-1 後発医薬品・バイオ後続品の使用促進-①処方箋料の見直し」で、その具体的な内容を示しました。医療機関は、点数の変更だけでなく、算定対象の拡大と算定ルールの明確化にも対応しなければなりません。本稿は、この処方箋料の見直しを3つの変更点に整理して解説します。

処方箋料の見直しは、一般名処方加算の点数引下げ、加算対象へのバイオ後続品の追加、緊急時の投薬に関する取扱いの明確化という3点です。第1に、一般名処方加算1は10点から8点に、加算2は8点から6点に引き下げられます。第2に、バイオ後続品のあるバイオ医薬品を一般名処方した場合も、加算の対象となります。第3に、同一診療日に院内投薬と院外処方箋を併用した場合の算定方法が、通知上で明文化されます。

1. 一般名処方加算は各2点の引下げ

一般名処方加算は、加算1と加算2のいずれも2点引き下げられます。この見直しは、後発医薬品の置き換えが進展したことを踏まえた対応です。医療機関にとっては、処方箋の交付回数に応じて収入に直結する変更となります。

改定案の点数は、次のとおりです。

  • 一般名処方加算1:10点(現行)→ 8点(改定案)

  • 一般名処方加算2:8点(現行)→ 6点(改定案)

点数の引下げは、令和6年度改定で引き上げた点数を一部引き下げるものです。令和6年度改定では、加算1を7点から10点に、加算2を5点から8点に引き上げました。改定後の8点と6点は、この引上げ前の水準である7点と5点を上回っています。一般名処方の実施も、処方箋料の算定回数に占める一般名処方加算の算定割合が令和4年の60.8%から令和6年には66.0%へと伸びました。

中医協に提出された特別調査は、この伸びが点数以外の要因にも支えられていることを示しています。一般名処方が増えたと回答した医師91人に理由を尋ねたところ(複数回答)、「オーダリングシステムの変更など一般名処方に対応できる院内体制が整備されたから」が57.1%で最も多く、「一般名処方加算の点数が引き上げられたから」は41.8%で続きました。同じ調査では、令和6年度改定による処方箋料の見直しが処方に与えた影響について、97.3%の医師が「特に処方の判断に変化はない」と回答しています。

引下げの背景には、加算の政策的な役割が一巡したという評価があります。一般名処方加算は、銘柄にこだわらない処方の判断、電子カルテシステムの導入・運用コスト、患者への説明といった手間を評価するために設けられた加算です。支払側委員は、後発医薬品の数量割合と金額割合がいずれも相当程度まで上昇したことを踏まえ、従来と同様の加算の仕組みを継続する妥当性は低いと主張していました。

医療機関への影響は、処方箋の交付回数に比例して現れます。一般名処方加算は、処方箋の交付1回につき算定する加算だからです。1回あたりの減少は2点にとどまりますが、外来患者数が多い医療機関ほど累積の影響は大きくなります。

2. バイオ後続品のあるバイオ医薬品が加算対象に追加

一般名処方加算の対象に、バイオ後続品のあるバイオ医薬品が追加されます。この追加は、バイオ後続品の使用促進を目的とした見直しです。医療機関にとっては、加算1と加算2の判定に関わる実務上の変更となります。

対象の追加により、加算の算定範囲は「後発医薬品のある医薬品」から「後発医薬品のある医薬品及びバイオ後続品のあるバイオ医薬品」に広がります。ただし、バイオ後続品の適応のない患者に対して使用する先行バイオ医薬品は、対象から除かれます。同じ先行バイオ医薬品でも、その患者の適応にバイオ後続品があるかどうかで加算の対象が変わる点に注意が必要です。

対象範囲の拡大は、加算1と加算2の判定にも及びます。加算1は、交付した処方箋に含まれる後発医薬品のある医薬品とバイオ後続品のあるバイオ医薬品が2品目以上あり、その全てが一般名処方されている場合に算定します。加算2は、1品目でも一般名処方されたものが含まれている場合に算定します。品目数は一般的名称で計算し、投与経路が異なる場合は一般的名称が同一でも別品目として計算します。

一般名処方の定義そのものも、あわせて改められます。現行の通知は、一般名処方を「先発医薬品か後発医薬品かといった個別の銘柄にこだわらずに処方を行っているもの」と説明しています。改定案は、この説明に「先行バイオ医薬品若しくはバイオ後続品」を加え、バイオ医薬品を含む定義に拡張しました。

対象追加の背景には、バイオ後続品の置き換えが進んでいない現状があります。バイオ後続品への置き換え率は、令和6年薬価調査で金額ベース33.7%にとどまります。政府は2029年度までに、バイオ後続品が80%以上を占める成分数を全体の60%以上とする目標を掲げていますが、2024年度時点の実績は22.2%です。中医協では、患者がバイオ後続品を選択できる環境整備の方策として、一般名処方加算の対象化が議論されました。

3. 院内投薬と院外処方箋を併用した場合の取扱いを明確化

同一診療日に院内投薬と院外処方箋を併用した場合の取扱いが、通知上で明確化されます。この明確化は、緊急やむを得ない事態に限って認められる例外的な取扱いです。医療機関にとっては、算定方法とレセプト記載の運用を整備すべき項目となります。

原則は、現行と変わりません。同一の患者に対して、同一診療日に、一部の薬剤を院内において投薬し、他の薬剤を院外処方箋により投薬することは、原則として認められません。また、注射器、注射針又はその両者のみを処方箋により投与することも認められません。

改定案は、この原則にただし書きを追加しました。緊急やむを得ない事態が生じ、このような方法による投薬を行った場合は、「F000」調剤料及び「F100」処方料は算定せず、院内投薬に係る「F200」薬剤及び処方箋料を算定します。あわせて、診療報酬明細書の「摘要欄」に、その日付と理由を記載します。

「緊急やむを得ない事態」の範囲も、改定案で具体的に示されました。第1は、常時院外処方箋による投薬を行っている患者に対して、患者の症状等から緊急に投薬の必要性を認めて臨時的に院内投薬を行った場合です。第2は、常時院内投薬を行っている患者に対して、当該保険医療機関で常用していない薬剤を緊急かつ臨時的に院外処方箋により投薬した場合です。いずれも「常時の投薬方法と異なる投薬を緊急かつ臨時的に行った場合」という点で共通しています。

4. 医療機関が準備すべき3つの対応

3つの変更点は、医療機関に3つの実務対応を求めます。準備の対象は、点数マスタ、処方オーダの運用、レセプト記載の運用です。いずれも改定の施行までに整えておく必要があります。

第1に、点数マスタの更新が必要です。一般名処方加算1と加算2の点数を、改定後の8点と6点に反映します。

第2に、バイオ医薬品の一般名処方への対応を確認します。中医協資料によれば、一般名処方の標準的な記載を定めた「一般名処方マスタ」には、これまでバイオ医薬品が掲載されていませんでした。処方オーダシステムがバイオ医薬品の一般名処方に対応できるか、事前の確認が欠かせません。

第3に、緊急時の投薬に関するレセプト記載の手順を整えます。院内投薬と院外処方箋を併用した場合は、摘要欄に日付と理由を記載する必要があるためです。記載漏れを防ぐため、医事課と診療部門の連携ルールを決めておくと確実です。

まとめ

令和8年度改定の処方箋料の見直しは、3つの変更点に整理できます。第1に、一般名処方加算1は10点から8点へ、加算2は8点から6点へ、それぞれ2点引き下げられます。第2に、バイオ後続品のあるバイオ医薬品の一般名処方が、加算の対象に追加されます。第3に、緊急やむを得ず院内投薬と院外処方箋を併用した場合の算定方法とレセプト記載が、明確化されます。医療機関は、点数マスタの更新、処方オーダの確認、レセプト記載の運用整備という3点を進めてください。

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