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令和8年度改定|全身麻酔の評価が3つの軸で抜本再編
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令和8年度改定|全身麻酔の評価が3つの軸で抜本再編

麻酔の深度・気道確保デバイス・麻酔管理体制の3軸で評価を再構築する改定内容を解説

令和8年度診療報酬改定では、全身麻酔の評価体系が抜本的に見直されます。現行の評価体系は、麻酔の深度や気道確保デバイスの違い、麻酔管理体制を十分に反映していません。この課題を解消し、安全で質の高い麻酔管理を適切に評価するため、本記事では改定内容を整理して解説します。

全身麻酔の評価は、「麻酔の深度」「気道確保デバイスの有無」「麻酔管理体制」の3つの軸で再構築されます。第1に、短時間の鎮静を評価する区分として「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」(L001)が新設されます。第2に、深鎮静の評価は麻酔管理体制に応じた4区分に整理されます。第3に、L008の名称が「声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔」に変更され、点数も調整されます。

短時間鎮静を評価するL001「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」が新設

短時間の鎮静については、現行の複数区分を統合して新区分が設けられます。統合対象は、現行の区分番号L000「迷もう麻酔」、L001「筋肉注射による全身麻酔、注腸による麻酔」、L001-2「静脈麻酔」の1、およびL007「開放点滴式全身麻酔」です。なお、L001-2「静脈麻酔」の1とは、現行のL001-2が短時間(1)・長時間で十分な体制下(2)・その他(3)の3区分で構成されているうちの「短時間」を指します。これらの区分を統合する形で、L001「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」が新設されます。

新設されるL001は、実施時間に応じた2区分で評価されます。1つ目は「10分未満のもの」で120点が算定されます。2つ目は「10分以上20分未満のもの」で310点が算定されます。これら2区分は、短時間鎮静の実態に即した時間軸で整理された評価体系です。

深鎮静の評価は麻酔管理体制に応じた4区分に再編

深鎮静についても、麻酔管理体制を反映した評価体系へと見直されます。現行のL001-2「静脈麻酔」の2および3を整理する観点から、深鎮静の評価が新L007「吸入麻酔又は静脈麻酔による深鎮静(声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴わないもの)」として整備されます。なお、旧L007「開放点滴式全身麻酔」の内容は前述のとおり新L001に統合されるため、L007という区分番号は深鎮静の評価へと役割を変えます。新L007は、麻酔に従事する医師の関与度に応じた4段階の評価で構成されます。

L007の4区分は、麻酔専従医師の関与度に応じて段階的に点数が設定されます。第1区分は「麻酔に従事する医師が専従で実施する場合」で2,600点となります。第2区分は「麻酔に従事する医師の指導下で麻酔を専従で実施する場合」で1,700点となります。第3区分は「麻酔を専従で実施する場合」で900点となります。第4区分は「1から3まで以外の場合」で600点となります。

L007には、複数の加算と算定要件が設定されます。実施時間が2時間を超えた場合は、麻酔管理時間加算として30分又はその端数を増すごとに、第1区分で780点、第2区分で510点が加算されます。3歳以上6歳未満の幼児に対しては、幼児加算として所定点数の10%が加算されます。なお、第1区分および第2区分の算定には、施設基準への適合と地方厚生局長等への届出が要件となります。

L008は名称変更と点数調整で気道確保デバイスの評価を明確化

L008については、気道確保デバイスを用いた全身麻酔の評価であることを名称で明確化します。現行の「マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔」は、「声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔」へと変更されます。この名称変更により、評価対象となる気道確保デバイスの範囲が明確になります。

L008の点数は、名称変更とあわせて一部が調整されます。腹腔鏡を用いた手術等が行われる場合の点数は、麻酔困難患者で9,130点から9,015点へ、それ以外で6,610点から6,500点へと改定されます。麻酔管理時間加算も同様に、該当区分で660点から650点へと調整されます。これらの点数調整は、改定全体の整合性を踏まえた見直しです。

改定全体を貫く3つの軸を踏まえた対応が必要

令和8年度改定における全身麻酔の評価は、3つの軸での再編が共通の柱となります。第1の軸である麻酔の深度に応じて、短時間鎮静のL001と深鎮静のL007が整理されます。第2の軸である気道確保デバイスの有無に応じて、L007とL008が区分されます。第3の軸である麻酔管理体制に応じて、L007が4段階に区分されます。医療機関は、これら3つの軸を踏まえて自院の麻酔管理体制を点検し、施設基準の届出など必要な対応を進めることが求められます。

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