岡大徳のメルマガ
岡大徳のポッドキャスト
令和8年度診療報酬改定|周術期等口腔機能管理計画策定料に150点の新区分
0:00
-6:53

令和8年度診療報酬改定|周術期等口腔機能管理計画策定料に150点の新区分

周術期等・回復期等の計画策定料が1と2に区分され、計画変更時に150点を算定できます

手術や入院中のリハビリテーション等を受ける患者の口腔機能管理は、医科歯科連携の柱として広がってきました。しかし、患者の状態が変わって管理計画を作り直しても、その計画変更を評価する区分は現行の点数表にありません。令和8年度診療報酬改定は、この点を含めて周術期等及び回復期等の口腔機能管理の評価を見直します。本記事は、個別改定項目「⑦ 周術期及び回復期等の口腔機能管理の推進」の内容を、改定案と現行の対比にそって解説します。

今回の見直しは、計画策定料への新区分の追加と、歯周病の継続管理の対象拡大からなります。第一に、周術期等口腔機能管理計画策定料が、1(300点)と2(150点)の2区分になります。第二に、回復期等口腔機能管理計画策定料も、同じく1(300点)と2(150点)の2区分になります。第三に、歯周病継続支援治療の対象に、周術期等口腔機能管理料又は回復期等口腔機能管理料を算定している患者が加わります。なお、この見直しの狙いは、資料の「基本的な考え方」に示されたとおり、医科歯科連携の推進です。

1. 周術期等口腔機能管理計画策定料は1と2の2区分になる

周術期等口腔機能管理計画策定料は、1と2に分かれます。1は、現行の周術期等口腔機能管理計画策定料と同じ300点です。2は、管理計画を策定した後の計画変更を評価する区分であり、150点です。

周術期等口腔機能管理計画策定料1の算定要件は、現行と同じ内容です。対象は、がん等に係る手術、放射線治療、化学療法、集中治療室における治療、緩和ケア(以下「手術等」)を実施する患者です。歯科疾患に係る手術については、入院期間が2日を超えるものに限られます。算定できるのは、歯科診療を実施している保険医療機関が、手術等を実施する保険医療機関からの文書による依頼に基づき、患者又はその家族の同意を得た上で、周術期等の口腔機能の評価と一連の管理計画の策定を行った場合です。さらに、その内容を説明し、管理計画を文書により提供することも要件であり、算定は当該手術等に係る一連の治療を通じて1回に限られます。

周術期等口腔機能管理計画策定料2は、策定済みの管理計画を変更した場合を評価します。算定できるのは、注1に規定する管理計画を策定した患者について、その患者の状態の変化等により治療計画を変更した場合です。算定回数は、患者1人につき1回に限られます。ここで押さえるべき点は、1が「一連の治療を通じて1回」であるのに対し、2は「患者1人につき1回」と規定されている点です。

2. 回復期等口腔機能管理計画策定料も1と2の2区分になる

回復期等口腔機能管理計画策定料も、周術期等と同じ形で1と2に分かれます。1は、現行の回復期等口腔機能管理計画策定料と同じ300点です。2は、管理計画を策定した後の計画変更を評価する区分であり、150点です。

回復期等口腔機能管理計画策定料1の算定要件は、現行と同じ内容です。対象は、医科点数表の区分番号A101に掲げる療養病棟入院基本料、区分番号A308に掲げる回復期リハビリテーション病棟入院料、区分番号A308-3に掲げる地域包括ケア病棟入院料を算定する患者です。算定できるのは、歯科診療を実施している保険医療機関が、リハビリテーション等を行う保険医療機関からの文書による依頼に基づき、患者又はその家族の同意を得た上で、回復期等の口腔機能の評価と一連の管理計画の策定を行った場合です。さらに、その内容を説明し、管理計画を文書により提供することも要件であり、算定は当該リハビリテーション等に係る一連の治療を通じて1回に限られます。

回復期等口腔機能管理計画策定料2も、策定済みの管理計画を変更した場合を評価します。算定できるのは、注1に規定する管理計画を策定した患者について、その患者の状態の変化等により治療計画を変更した場合です。算定回数は、患者1人につき1回に限られます。周術期等と回復期等で、計画変更を評価する仕組みは共通しています。

3. 歯周病の継続管理の対象に、周術期等・回復期等の口腔機能管理料の算定患者が加わる

歯周病の継続管理については、算定要件に新たな対象患者が追加されます。今回の資料では、現行の【歯周病安定期治療】が【歯周病継続支援治療】として示されています。この歯周病継続支援治療の留意事項通知に、周術期等口腔機能管理料又は回復期等口腔機能管理料を算定している患者が加えられます。

現行の留意事項通知が対象としているのは、区分番号B002に掲げる歯科特定疾患療養管理料を算定している患者だけです。この患者のうち、当該管理料の「注1」に規定する治療計画に歯周病に関する管理計画が含まれ、かつ、留意事項通知の(1)と同様の状態にある患者について、歯周病安定期治療を算定できます。

改定案では、この対象に5つの管理料が追加されます。追加されるのは、区分番号B000-6に掲げる周術期等口腔機能管理料(Ⅰ)、区分番号B000-7に掲げる周術期等口腔機能管理料(Ⅱ)、区分番号B000-8に掲げる周術期等口腔機能管理料(Ⅲ)、区分番号B000-9に掲げる周術期等口腔機能管理料(Ⅳ)、区分番号B000-11に掲げる回復期等口腔機能管理料です。これらのいずれか又は歯科特定疾患療養管理料を算定している患者であって、各区分に規定する治療計画に歯周病に関する管理計画が含まれ、(1)と同様の状態にある患者について、歯周病継続支援治療を算定できます。

この追加により、周術期等・回復期等の口腔機能管理から歯周病の継続管理へつなぐ道筋が明確になります。現行の留意事項通知(2)は、歯科特定疾患療養管理料の算定患者だけを規定していました。改定案は、ここに周術期等・回復期等の口腔機能管理料の算定患者を加えることで、手術やリハビリテーション等の期間中から、その後の歯周病管理へと続く流れを後押しします。

4. 実務では、計画変更の記録と対象患者の確認が鍵になる

以下は、資料に明記された要件ではなく、算定要件から導かれる実務上の備えです。備えは2つあります。ひとつは、管理計画を変更した事実を記録に残す備えです。もうひとつは、歯周病継続支援治療の対象となる患者を確認する備えです。

管理計画の変更については、変更の理由を明確にしておくことが役立ちます。策定料2が、患者の状態の変化等により治療計画を変更した場合を算定要件としているためです。変更前後の計画内容と変更理由を記録に残す運用であれば、要件との対応を説明しやすくなります。

歯周病継続支援治療の対象確認については、治療計画に歯周病に関する管理計画が含まれているかどうかが分かれ目になります。算定要件が、各区分に規定する治療計画に歯周病に関する管理計画が含まれることを求めているためです。周術期等・回復期等の口腔機能管理計画を策定する段階から、歯周病に関する管理計画の要否を確認しておく運用が有効です。

まとめ:計画変更の評価と、歯周病管理の対象拡大が要点

令和8年度診療報酬改定は、周術期等及び回復期等の口腔機能管理について、3つの見直しを行います。第一に、周術期等口腔機能管理計画策定料が、1(300点)と2(150点)の2区分になります。第二に、回復期等口腔機能管理計画策定料も、1(300点)と2(150点)の2区分になります。第三に、歯周病継続支援治療の対象に、周術期等口腔機能管理料(Ⅰ)〜(Ⅳ)又は回復期等口腔機能管理料を算定している患者が加わります。いずれの見直しも、医科歯科連携を推進する観点によるものです。

このエピソードについてのディスカッション

Userのアバター

もっと続けますか?