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令和8年度改定 リハビリ実績指数の見直しを徹底解説【回復期リハ病棟】
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令和8年度改定 リハビリ実績指数の見直しを徹底解説【回復期リハ病棟】

歩行・トイレ動作の加点から合格ライン引き上げ、除外割合の縮小まで変更点を初心者向けに整理

回復期リハビリテーション病棟では、リハビリの成果を「リハビリテーション実績指数」という数値で評価しています。この実績指数は、機能改善が乏しいまま漫然とリハビリが続くことを防ぐ仕組みとして働いてきました。しかし、より質の高いアウトカム評価を進めるには、算出方法と除外対象患者の基準を見直す必要があります。本記事は、令和8年度診療報酬改定で実施されるこの見直しの内容を、回復期リハ病棟の実務担当者向けに解説します。

今回の見直しは、「評価のきめ細かさ」「合格ラインの引き上げ」「除外対象の厳格化」「情報公開の強化」という4つの柱に整理できます。第1の柱では、歩行やトイレ動作が自立した患者に加点する仕組みを新設します。第2の柱では、実績指数の合格ラインを27から30に引き上げます。第3の柱では、算出から除外できる患者の要件と上限割合を厳しくし、除外割合を30%から20%に縮小します。第4の柱では、実績の公開方法に院内掲示とウェブサイト掲載を明確に位置づけます。

第1の柱:評価のきめ細かさ ― 歩行・トイレ動作の自立を加点

第1の柱は、算出方法を見直して評価のきめ細かさを高めるものです。実績指数は、FIM運動項目の得点の伸び(利得)を、入棟から退棟までの日数で調整して算出します。今回、この利得の計算に、歩行・車椅子とトイレ動作の自立を反映する加点ルールを加えます。

ここでいうFIMとは、患者の日常生活動作の自立度を点数化する機能的自立度評価表のことです。このFIMの運動項目は、点数が高いほど自立に近いことを示します。なかでも6点以上は、介助なしで動作できる「自立」の領域を意味します。

新ルールは、この自立への到達を実績指数に反映します。具体的には、「歩行・車椅子」と「トイレ動作」の得点が入棟時に5点以下、退棟時に6点以上へ上がった場合、その項目ごとに利得へ1点を加えます。この加点により、介助が必要な状態から自立した患者の改善を、これまで以上にていねいに評価できます。

加点の効果は計算例で確認できます。退棟患者50人の運動項目利得の総和が1,400だった場合を考えます。このうち「歩行・車椅子」が自立に到達した患者が20人、「トイレ動作」が自立に到達した患者が30人いれば、分子は1,400+1×20+1×30=1,450に増えます。この結果、実績指数は現行の33.3から34.5へと上がります。

第2の柱:合格ラインの引き上げ ― 実績指数27から30へ

第2の柱は、実績指数の合格ラインの引き上げです。回復期リハ病棟では、実績指数が2回連続で基準値を下回ると、「効果に係る相当程度の実績が認められない場合」に該当します。今回、この基準値を27から30に引き上げます。

基準値を下回り続けると、診療報酬の算定に大きな制約がかかります。該当した月以降、1日6単位(1単位は20分)を超える疾患別リハビリテーション料は、回復期リハビリテーション病棟入院料に包括されます。つまり、6単位を超える分を出来高で算定できなくなります。ただし、発症後60日以内の脳血管疾患等の患者へのリハビリは、この包括の対象から除かれます。

復帰の道にも、この実績指数30以上が組み込まれます。包括の対象となった後でも、別の月に「対象患者数が10名未満」「1日あたり平均実施単位数が6単位未満」「実績指数が30以上」のいずれかを満たせば、再び6単位を超える分を出来高で算定できます。このように合格ラインが27から30へ上がることで、病棟にはより高い成果が求められます。

第3の柱:除外対象の厳格化 ― 除外要件と割合の見直し

第3の柱は、除外対象患者の厳格化です。実績指数は、改善が見込みにくい一部の患者を算出から除外できます。今回、この除外できる患者の要件と上限割合を、ともに厳しくします。

第1に、年齢による除外をなくします。これまで除外できた「年齢が80歳以上のもの」という要件を削除します。

第2に、運動機能が低い患者の除外に条件を付けます。「FIM運動項目の得点が20点以下のもの」は引き続き除外できますが、1日平均6単位を超えるリハビリを行った患者は算出対象に含めます。

第3に、認知機能による除外の基準を引き下げます。「FIM認知項目の得点が24点以下のもの」という要件を、「14点以下のもの」へと厳しくします。

第4に、除外できる割合の上限を縮小します。これらの要件見直しに合わせ、入棟患者数に対する除外割合の上限を、100分の30から100分の20へ引き下げます。

第4の柱:情報公開の強化 ― ウェブサイト掲載の明確化

第4の柱は、実績の情報公開の強化です。回復期リハ病棟は、退棟患者数や直近の実績指数を、少なくとも3か月ごとに公開する義務を負います。今回、この公開方法に院内掲示とウェブサイト掲載を明確に位置づけます。

現行では「院内掲示する等の方法で公開」とされてきました。改定後は、院内掲示に加え、掲示事項をウェブサイトに掲載することが求められます。ただし、自らのホームページ等を持たない医療機関は、ウェブサイト掲載を要しません。

まとめ:質の高いアウトカム評価への一歩

令和8年度の今回の見直しは、回復期リハ病棟のアウトカム評価をより質の高いものへと進めます。算出方法では、歩行・トイレ動作の自立到達を加点します。合格ラインは、実績指数27から30へ引き上げられます。除外対象は、要件と割合の両面で厳格化されます。情報公開は、ウェブサイト掲載まで明確化されます。これらの見直しは、漫然としたリハビリを避け、患者の生活機能の回復という本来の成果を後押しするものといえます。

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