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【令和8年度改定】入院医療の評価を総まとめ|全21項目の改定ポイントを一覧解説
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【令和8年度改定】入院医療の評価を総まとめ|全21項目の改定ポイントを一覧解説

急性期から療養・障害者施設まで18項目の医療提供体制整備と、人口の少ない地域に配慮した3項目を集約

令和8年度診療報酬改定の個別改定項目「Ⅱ-1 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価」では、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携を推進するため、入院医療に関する合計21の項目が見直されます。この記事では、「Ⅱ-1-1 医療提供体制の整備」の18項目と「Ⅱ-1-2 人口の少ない地域の実情を踏まえた評価」の3項目について、全体像をまとめます。

21項目に共通するのは、病院の機能・実績と地域の実情に応じた評価の強化です。Ⅱ-1-1の18項目では、急性期入院医療の入院基本料新設、高度急性期の区分簡素化と実績要件の導入、地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設における患者状態の適切な反映、DPC/PDPSの精緻化などが実施されます。Ⅱ-1-2の3項目では、医療資源の少ない地域の対象拡大、外来・在宅診療を支援する病院への新加算、歯科巡回診療の新評価が導入されます。

Ⅱ-1-1 医療提供体制の整備(18項目)

Ⅱ-1-1では、入院医療の評価体系が大幅に見直されます。18項目は、急性期入院医療(①〜④)、高度急性期入院医療(⑤〜⑧)、地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設(⑨〜⑫)、看護補助加算・除外薬剤・DPC/PDPS(⑬〜⑮)、短期滞在手術・地域加算・名称変更(⑯〜⑱)の5グループに分かれます。

①〜④ 急性期入院医療の見直し

急性期入院医療では、救急搬送件数や手術件数の実績を施設基準に組み込んだ評価の強化が行われます。①急性期病院一般入院基本料等がA・Bの2区分で新設され、②重症度、医療・看護必要度にはA/C項目の追加と救急患者応需係数が導入されます。③急性期総合体制加算は総合入院体制加算と急性期充実体制加算の統合により5区分に再編され、④特定機能病院入院基本料はA・B・Cの3区分に分かれます。

⑤〜⑧ 高度急性期入院医療の見直し

高度急性期入院医療では、ICU・HCU・SCUの3つの管理料に実績要件が新設され、ICUと救命救急入院料では区分が簡素化されます。⑤特定集中治療室管理料は6区分から3区分に簡素化され、実績要件が新設されます。⑥ハイケアユニット入院医療管理料は実績要件の新設と点数の引き上げが実施されます。⑦救命救急入院料は4区分から2区分に統合されます。⑧脳卒中ケアユニット入院医療管理料には超急性期治療に関する実績要件が追加されます。

⑨〜⑫ 地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設の見直し

地域包括医療病棟から障害者施設等入院基本料まで、患者の状態と医療資源投入量をより適切に反映させる見直しが行われます。⑨地域包括医療病棟は手術・緊急入院の有無で3区分に再編され、⑩回復期リハビリテーション病棟には強化体制加算の新設や実績指数の基準新設など9つの変更が実施されます。⑪療養病棟は医療区分2・3の内容が見直され、⑫障害者施設等では廃用症候群の評価が療養病棟に準じた体系に変更されます。

⑬〜⑮ 看護補助加算・除外薬剤・DPC/PDPSの見直し

看護体制の強化、高額薬剤への対応、包括払い制度の精緻化が実施されます。⑬障害者施設等入院基本料の看護補助加算は算定可能期間が入院31日目以降に拡大されます。⑭除外薬剤には生物学的製剤とJAK阻害薬が全入院料共通で追加されます。⑮DPC/PDPSでは標準病院群の細分化や機能評価係数Ⅱの算出方法の変更などが行われます。

⑯〜⑱ 短期滞在手術・地域加算・名称変更

手術の外来移行促進、地域手当の再編、加算名称の明確化が実施されます。⑯短期滞在手術等基本料は外来実施率が高い手術の点数差縮小と入院手術対応加算の新設が行われます。⑰地域加算は級地区分が7段階から5段階に再編されます。⑱看護補助体制充実加算は「看護補助・患者ケア体制充実加算」に改称されます。

▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】入院医療の全18項目を総整理|Ⅱ-1-1 医療提供体制の整備を完全網羅

Ⅱ-1-2 人口の少ない地域の実情を踏まえた評価(3項目)

Ⅱ-1-2では、人口規模が小さい二次医療圏における診療所数の減少や医師の高齢化を踏まえ、3つの評価が見直し・新設されます。医療資源の少ない地域の対象拡大、外来・在宅診療を支援する病院への新加算の新設、歯科巡回診療の新評価が主な内容です。

① 医療資源の少ない地域の対象地域の見直し

対象地域は、令和5年医療施設静態調査等の最新データに基づき37医療圏から39医療圏へ拡大されます。32医療圏が引き続き該当し、7医療圏が新たに追加され、5医療圏が除外されます。除外された医療圏で既に届出を行っている医療機関に対しては、経過措置が従来の2年間から約6年間へ延長されます。

② 医療提供機能連携確保加算の新設

地域の外来・在宅診療を支援しながら緊急入院の受入体制を確保する医療機関を評価する「医療提供機能連携確保加算」が新設されました。入院初日に算定する600点の加算と、情報通信機器を用いた医学管理を行った場合に月1回算定できる50点の上乗せ加算で構成されます。対象地域は、人口20万人未満かつ人口密度200人/km²未満の二次医療圏および離島等の地域です。

③ 歯科巡回診療の新評価

歯科医療が十分に提供されていない地域での巡回診療に対して、2つの評価が新設されました。第一に、初診料・再診料に加算できる「地域歯科医療加算」100点が新設されます。第二に、巡回診療時の処置・手術・歯冠修復及び欠損補綴に対する所定点数の30%加算が新設されます。

▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】人口の少ない地域の実情を踏まえた評価|3つの改定項目を総まとめ

まとめ

令和8年度改定の「Ⅱ-1 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価」では、合計21項目が見直されます。Ⅱ-1-1の18項目では、急性期入院医療の入院基本料新設と加算統合、高度急性期の区分簡素化と実績要件導入、地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設における患者状態の適切な反映、DPC/PDPSの精緻化、短期滞在手術の見直しと地域加算の再編が実施されます。Ⅱ-1-2の3項目では、医療資源の少ない地域の対象が39医療圏へ拡大され、医療提供機能連携確保加算(入院初日600点・月50点)が新設され、歯科巡回診療に地域歯科医療加算100点と処置等の30%加算が導入されます。各医療機関は、自院が該当する項目を特定し、届出や体制整備の準備を早期に進めてください。

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