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【令和8年度改定】入院医療の見直し4項目を総まとめ|地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設
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【令和8年度改定】入院医療の見直し4項目を総まとめ|地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設

地域包括医療病棟の再編、回復期リハ病棟の9つの変更、療養病棟の医療区分見直し、障害者施設の廃用症候群評価を網羅的に解説

令和8年度診療報酬改定では、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携の推進として、入院医療の評価体系が大幅に見直されます。個別改定項目「Ⅱ-1-1 患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた、医療提供体制の整備」のうち、⑨地域包括医療病棟、⑩回復期リハビリテーション病棟、⑪療養病棟、⑫障害者施設等入院基本料の4項目について、改定のポイントを解説します。

4項目に共通するのは、患者の状態と医療資源投入量をより適切に反映させるという方針です。地域包括医療病棟では入院料が手術・緊急入院の有無で3区分に再編され、回復期リハビリテーション病棟では強化体制加算の新設を含む9つの変更が行われます。療養病棟では感染症処置の併施や非がん緩和ケアに対応した医療区分の見直しが実施され、障害者施設等入院基本料では廃用症候群の患者の評価が療養病棟に準じた体系に変更されます。

⑨ 地域包括医療病棟の見直し

地域包括医療病棟入院料は、入院料の再編、加算の2段階化、施設基準の緩和の3つの領域で見直されます。

入院料は、現行の一律3,050点から、「入院料1」(急性期病棟を併設しない医療機関向け)と「入院料2」の2つに分かれます。さらに、各入院料の中にイ・ロ・ハの3区分が設けられ、緊急入院の有無と手術の実施状況に応じて点数が異なります。最高点は入院料1・イの3,367点、最低点は入院料2・ハの3,066点です。手術のない緊急入院の患者は包括範囲内の出来高実績点数が高いという実態を踏まえ、イ(緊急入院かつ手術なし)に最も高い点数が設定されました。

リハビリテーション・栄養・口腔連携加算は、現行の一律80点から、加算1(110点)と加算2(50点)の2段階に見直されます。多職種による包括的な取組を積極的に行う医療機関は加算1を、段階的に体制を整備する医療機関は加算2を算定できます。

施設基準では、85歳以上の患者割合に応じた緩和が行われます。平均在院日数は「20日以内を原則とし、85歳以上の患者割合が2割増すごとに1日を加える」に変更されます。重症度、医療・看護必要度は、評価方法が「割合」から「指数」に変更されます。

▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】地域包括医療病棟が3つの入院料に再編|点数・要件の変更点を解説

⑩ 回復期リハビリテーション病棟入院料等の評価体系及び要件の見直し

回復期リハビリテーション病棟入院料等では、質の高いリハビリテーション医療の推進を目的に、9つの変更が行われました。

第一に、入院料1を対象とした「回復期リハビリテーション強化体制加算」(80点/日)が新設されました。実績指数48以上、退院前訪問指導の十分な実績、排尿自立支援加算の届出が施設基準に含まれます。第二に、重症患者の基準に高次脳機能障害と脊髄損傷の患者が追加され、改善割合の要件は削除されました。第三に、入院料2と4にも実績指数32以上の基準が新設され、全入院料にアウトカム評価が適用されます。

第四に、FIMによる測定が望ましいとされました。第五に、退院前訪問指導料が出来高で算定可能になりました。第六に、FIM研修会の開催が入院料1~4に拡大されました。第七に、地域支援事業への参加が入院料1~4に拡大されました。第八に、口腔管理の体制整備が入院料3・4でも望ましいとされました。第九に、土曜日・休日を含む全日のリハビリテーション提供体制が入院料1~4の基本要件となりました。

全入院料で点数が引き上げられ、入院料1は2,229点から2,346点に、入院料3は1,917点から2,062点になりました。入院料2・4の実績指数基準と入院料3・4の全日リハ提供体制には、令和8年9月30日までの経過措置が設けられています。

▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】回復期リハビリテーション病棟入院料の9つの変更点を徹底解説

⑪ 療養病棟入院基本料の見直し

療養病棟入院基本料では、医療区分2・3に該当する疾患・状態・処置等の内容が見直されます。

第一に、感染症の治療に係る処置(肺炎治療、尿路感染症治療など)と創傷の治療等の他の処置を併せて行う場合に、医療区分3として評価されるようになります。従来、これらの処置はいずれも医療区分2として評価されていましたが、併施時の医療資源投入量の増加を反映した見直しです。

第二に、非がん疾患に対する緩和ケアとして、末期呼吸器疾患、末期心不全、末期腎不全の3疾患が医療区分2に追加されます。3疾患とも「適切な治療にもかかわらず末期の状態にあること」と「医療用麻薬等による苦痛・症状のコントロールが必要であること」が共通の要件です。

第三に、超重症児(者)に該当する15歳未満の小児が医療区分3に、準超重症児(者)に該当する小児が医療区分2に追加されます。さらに、療養病棟入院料2の医療区分2・3患者割合は5割から6割に引き上げられ、令和8年9月30日までの経過措置が設けられます。

▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】療養病棟入院基本料の見直し3つのポイント|医療区分の変更点を解説

⑫ 障害者施設等入院基本料等の見直し

障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料の3つの入院料において、廃用症候群の患者の評価が療養病棟に準じた評価に変更されます。

この見直しの背景には、障害者施設等入院基本料を算定する病棟に入院する廃用症候群の患者の状態が、療養病棟の患者と類似しているという実態があります。認知症の有無、寝たきり度、医療的な状態のいずれにおいても類似した分布を示す一方、レセプト請求点数は障害者施設等入院基本料の方が高い状況でした。患者の状態が類似しているにもかかわらず評価体系が異なることは、慢性期入院料の役割分担の観点から課題とされていました。

具体的には、障害者施設等入院基本料の注13の対象患者に廃用症候群が追加され、医療区分2または1に相当する患者は療養病棟に準じた点数で算定することになります。ただし、廃用症候群の発症前から重度の肢体不自由児(者)に該当していた患者は対象外です。この除外要件は、身体障害者障害程度等級表の1級・2級に該当する患者がより頻回な看護提供を必要とするというデータに基づくものです。

▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】障害者施設等入院基本料における廃用症候群の評価が変わる|3つの入院料が対象

まとめ

令和8年度改定では、入院医療の4項目がそれぞれ見直されます。地域包括医療病棟では手術・緊急入院の有無による3区分化と85歳以上に配慮した施設基準の緩和が行われます。回復期リハビリテーション病棟では強化体制加算の新設と全入院料への実績指数の適用拡大が実施されます。療養病棟では感染症処置の併施による医療区分3の新設と非がん緩和ケアの評価が導入されます。障害者施設等入院基本料では廃用症候群の患者の評価が療養病棟に準じた体系に移行します。いずれの見直しも、患者の状態と医療資源投入量をより適切に反映させることを目的としており、対象となる医療機関では早期の対応が求められます。

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